ドイツのSAP AGとドイツのSiemens AGは現地時間9月4日,Siemens社がSAP社の企業情報ポータル・ソリューション「mySAP Enterprise Portal(mySAP EP)」を採用することで提携関係に入ったことを発表した。ポルトガルのリスボンで開催中のSAP社のe-business国際会議「SAPPHIRE '02」にて明らかにしたもの。

 「全世界のSiemens社の社員はもちろん,同社の顧客,パートナ企業,サプライヤが共通のポータル・ソリューションを利用できるようにすることが目的」(両社)としている。なお今回の提携は,契約1件当たりの対象ユーザー・ライセンス数がSAP社にとって過去最大規模だという。

 Siemens社のITインフラは世界各地にまたがっており,SAP R/3システムのほか,オランダのBAAN,米Commerce One,米i2,米IBM,米PeopleSoftのビジネス・アプリケーションやレガシー・システムなどで構成されている。Siemens社は,mySAP EPのオープン・アーキテクチャを利用して異種アプリケーションを統合し,「ITインフラのTCO削減を図る」(両社)。

 mySAP EPは,共通のユーザー・インタフェースをSiemens社の全社員に提供し,研修時間の短縮と異なるシステムの容易な切り替えを可能にする。また情報検索に要する時間は,1日当たり平均20%の短縮を見込んでいる。

 「我々は過去10年以上,緊密な提携関係を維持して成功を収めてきた。mySAP EPは長期的な成長を視野に入れ,既存のITインフラを基盤に当社のビジネス・プロセスを統合できる」(Siemens社Corporate Information and Operations部門責任者のFriedrich Froeschl氏)

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