ドイツのSAP AGと米Hewlett-Packard(HP)がポルトガルで現地時間9月4日に,SAP社の中小企業向けビジネス・ソフトウエア「SAP Business One」の販売に関して提携に署名したことを明らかにした。EMEA(欧州,中東,アフリカ)30カ国以上にわたるHP社の販売チャネルを利用する。ポルトガルのリスボンで開催中のSAP社の国際e-business会議「SAPPHIRE」にて発表したもの。

 提携による販売プログラムは,まず30万社の中小企業が拠点を置くドイツで今秋開始する。その後オーストリア,スイス,英国,ベネルクス諸国(ベルギー,オランダ,ルクセンブルグ)に対象を拡大する。

 また両社は,EMEAに「SAP Business One Centers」を共同で開設する。同センターは,SAP社とHP社が選出した企業のパートナ認定や,パートナ企業向けのトレーニングおよび技術サポートの場を提供する。HP社はSAP Business One認定リセラーの販促活動,マーケティング・キャンペーン,販売管理などを支援する。

 「HP社は10年以上におよぶSAP社の重要な技術パートナだ。今回の提携により新たなビジネス・モデルを構築し,HP社のe-businessインフラ・プロバイダとしてのノウハウとネットワーク・チャネルを活用する」(SAP社Global Field Operations部門プレジデントのLeo Apotheker氏)

 ちなみに米Gartnerによると,2005年には中小企業のIT購入のうち65%以上が ,直接ベンダーからではなく,VAR(Value Added Resellers)やプロフェッショナル・サービス企業といった‘信頼のおけるアドバイザ’を通じて行われるという。

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