フランスのVivendi Universal(VU)は英Vodafone Groupとのジョイント・ベンチャであるVizzavi Groupの株式の持ち分すべてをVodafone社に売却する。両社が最終合意に達したことを現地時間8月30日に明らかにしたもの。

 Vizzavi Groupはモバイル向けコンテンツ事業。欧州におけるマルチ・アクセスのインターネット・ポータルを提供する事業として2000年5月より両社が取り組んできた。

 Vodafone社はVivendi社に対し,1億4270万ユーロ(約1億4000万米ドル)の現金を支払い,Vizzavi株のVivendi社持ち分(Vizzavi全株式の50%)を取得し,Vizzavi社を同社の100%子会社とする。

 これによりVivendi社は,Vizzavi社が持つ負債の引き受けやVizzavi社に対する投資を今後一切行わなくなる。このため2002~2003会計年度通年の決算では1億7100万ユーロの節約が可能になるという。Vivendi社では,「今回のVizzavi株売却は,非主力事業を処分し現金流出を抑えるという当社の事業計画に則したもの」と説明している。

 ただし今回の株式売買契約には,Vizzavi社とは独立事業となっているVizzavi France社の株式は含まれない。Vizzavi France社は今後もVivendi社の100%子会社として事業を継続していくという。またVizzavi France社は今後もVizzavi社との協力体制を継続し,技術や研究開発の分野で支援を受けていくという。

 一方のVodafone社では,「(Vizzavi社株を100%取得することは)当社にとって重要」と説明する。「Vizzavi社の資産は,サービスの差異化を図るというVivendi社の戦略にとって必要不可欠。とりわけ年内に立ち上げ予定の新たな消費者向けサービス『Vodafone Live!』にとって重要」(Vodafone社)

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[Vodafone社の発表資料]
[Vivendi社の発表資料]