CATV業界の研究開発機関である米Cable Television Laboratories(Cable Labs)は米国時間8月29日,業界仕様「OpenCable Host Core Functional Requirements Specifications」ファミリの新たな仕様「Advanced Host」と「High Definition STB Host」を発表した。

 Advanced Host仕様は民生電子機器メーカー用である。同仕様を取り入れた製品は,DOCSIS準拠の高速モデムを受信機に組み込んで利用できる。また,インタラクティブ・サービス向けの仕様OCAP 2.0にも対応する。内蔵のDOCSIS対応モデムを用いることで,対戦ゲーム,ビデオ電子メールおよびインスタント・メッセージといった広帯域通信アプリケーションを利用できる。

 High Definition STB Hostはセットトップ・ボックス(STB)用の仕様で,デジタル・ケーブル・ネットワークを介して配信される高解像度デジタル番組のあらゆるフォーマットをデコードする。High Bandwidth Digital Content Protection(HDCP)を採用したDigital Video Interface(DVI)などへの対応が含まれており,「最新のHDTVに最良のデジタル画像を提供できる」(Cable Labs社)

 DVIについては,米国のケーブル事業者とDBS事業者および映画会社が業界間のサポートを2001年7月に決定した。「High Definition STB Host仕様にDVIおよびHDCPを盛り込むことは,ケーブル業界におけるDVI対応を履行するための大きなステップだ」(CableLabs社Advanced Platforms and Services部門バイス・プレジデントのDon Dulchinos氏)

 またHigh Definition STB Hostは,Digital Transmission Content Protection(DTCP)対応IEEE-1394やEIA/CEA-770.3-Cなどの各種代替インタフェースについても定義している。

 今回発表した仕様はメーカーやコンテンツ開発者をはじめ,一般の人々もOpenCable社のWebサイトから入手できる。「これらの仕様によるロードマップで,広帯域ケーブル・ネットワークを介して配信されるデジタル高解像度信号やインタラクティブ・サービスに対応した幅広い小売り向けケーブル製品を開発できる」(Cable Labs社)

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