米WebSideStoryが米国時間8月28日に,ブラウザの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,米America Online(AOL)傘下のNetscape Communicationsが提供する「Netscape」ブラウザの市場シェアが減少し続けているという。WebSideStory傘下のStatMarket社の調査によると,2002年8月26日現在のNetscapeブラウザのシェアは3.4%で史上最小を記録。1年前のシェアは13%だった。

 一方,米Microsoftの「Internet Explorer」ブラウザの利用は増え続けており,全世界で96%のシェアを獲得している。1年前のシェアは約87%だった。

 Netscape社は全世界においてシェアを維持するのに苦戦しているが,人気を固持している国もある。たとえば,スイスでのシェアは世界における平均値の2倍だ。また,ドイツ,カナダ,米国などでも,世界における平均値を上回っている。

 StatMarket社Product Marketing部門担当副社長のGeoff Johnston氏は,Netscapeブラウザがブラウザ戦争で惨敗していると述べた。「Netscapeはこれまでのところ,最新版でのユーザー獲得に失敗している。一部の国ではシェアを維持しているものの,(親会社の)AOL社が早く何らかの策を講じないと,Netscapeは市場シェアの最後の1~2%を『Opera』と争うことになる」(同氏)

 Netscapeブラウザの世界におけるシェアは,1999年初期の約32%から減少の一途をたどっている。

■8月26日現在の世界におけるブラウザシェア

Microsoft社製ブラウザ    95.97%
Netscape社製ブラウザ       3.9%
その他                    0.64%

出典:StatMarket社

◎関連記事
米ネットスケープがNetscape 7.0のプレビュー版を配布
Netscapeブラウザのシェアが大幅に減少中,もはや7%程度
「IE 6がリリースから7日間でNetscape 6のシェアを追い抜き急拡大。ただし,中長期的には伸びは緩やか」と米調査会社
「Netscapeのシェアが大きい国は独・加・米,日本では不人気」と米社調査
AOLがサービスをIEからNetscapeに切り替えれば,ブラウザ戦争再燃
米AOLがMicrosoftを提訴,ブラウザのシェア奪還を目指す
「2002年末の全米DSLユーザーの総数は600万」---と米国の調査機関
米AOL Time Warnerが自社ブランド・サイトにNetscapeのツールバー組み込み

 [発表資料へ]