東芝の米国法人Toshiba America Information Systems(TAIS)の一部門Toshiba Computer Systems Group(CSG)と米iPassは米国時間8月27日に,Wi-Fi(802.11b)対応の無線接続サービスの提供に関して提携したことを発表した。

 提携のもと,東芝の技術を基盤にしたホットスポットとiPass社のローミング・サービス「Global Broadband Roaming(GBR)」を組み合わせる。

 ホットスポットは無線LANのアクセス・ポイントを設置した公的な場所のこと。無線LAN対応機器を持ち込めば,無料または有料でネットワーク接続サービスを利用できる。iPass社のGBRサービスは企業向けで,世界で400カ所余りのWi-Fi対応ホットスポットを提供している。東芝では,年内に1000カ所のホットスポットを構築する計画だ。

 iPass社は東芝と協力体制を敷き,Wi-Fi対応のホットスポットを企業向けに提供する。VPNなどのセキュリティ・ポリシー管理システムとの互換性も図る。その後,モバイル接続クライアント「iPassConnect」から利用できるグローバル仮想ネットワークに統合する。

 今回の提携により,iPass社の企業ユーザーは,Wi-Fi対応ホットスポットでインターネットや企業ネットワークに接続できるようになる。ホットスポットは東芝が管理するが,運営はその地域のサービス・プロバイダが行う。東芝はホテルや喫茶店,無線ISPなどに,ホットスポット設備,無線システム向けバックエンド・サポート,Tier1のエンドユーザー・サポートを提供する。

◎関連記事
「ホットスポット市場は伸びる!2007年の市場規模は2002年の約35倍」,英調査
「2006年のホットスポットは4万2000カ所で2001年の21倍,市場の売上高は約57倍に」,米企業の調査
「急成長する無線LAN市場,企業ユーザーがホットスポットの普及を促進」,米企業の調査
「Wi-Fi」ことIEEE 802.11bが米国全土で爆発的ブームに
米iPassがWi-Fi無線接続のローミング・サービスを拡充。欧州とアジアの6社と提携
「米国のホットスポット利用者は2007年に2100万人」---英企業が調査
NTT-ME,無線LANサービスをIEEE802.1xとローミングで実現
ホットスポット普及のカギは,通信事業者間の“ローミング”にあり

 [発表資料へ]