米Motorolaが米国時間8月23日に,消防士向けの無線通信システム「Fireground Communications System」を発表した。国際消防長協会(IAFC)が8月23日~26日にミズーリ州カンザスシティで開催する「2002 Fire-Rescue International Conference」にてデモを行う。

 Fireground Communications Systemは,Motorola社の統合通信および情報ソリューションのひとつで,公共安全とセキュリティにおける緊急時の要求に対応する。

 Motorola社副社長兼Global Safety and Security Solutions部門ジェネラル・マネージャのMike Worthington氏によると,「同システムで,火災などの緊急事態に現場指揮官が部下全員と連絡を取り,部下の作業を監視することができる」という。

 Fireground Communications Systemを構成する五つの主要コンポーネントはポータブル・ラジオ「XTS 5000」,ソフトウエア「Incident Management Software」,ターミナル「Ruggedized Command Terminal」,モデム「Digital RF Modem」,携帯中継器「Portable Repeater」。これらにより,現場やビル内の無線到達範囲を強化し,消防隊員の任務遂行を支援する。

 Fireground Communications Systemでは各隊員の無線IDを認識し,氏名や担当区域を指揮官の端末に表示する。もし隊員が危機的状況に陥った場合は,緊急ボタンを押すと指揮官の端末のアラームが鳴る。また,指揮官が危険を察知した際には,全隊員に警告信号を送ることが可能。

 Fireground Communications Systemは2003年に利用可能にする。将来的には,位置追跡機能の追加や無線対応の自給式呼吸装置の利用を計画している。

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