米Microsoft社は開発ツールVisual Studio .NETと.NET Frameworkの将来のバージョンに関するロードマップの概要を米国時間8月22日に発表した。

 Visual Studio .NETと.NET Frameworkの次期版(開発コード名「Everett」)は,Windows .NET Serverとの同期が予定されている。Visual Studio“Everett”は,信頼性,安定性,セキュリティ,パフォーマンスの向上に焦点を当てている。

 また,同社が独自開発したJava開発ツールVisual J# .NETは,Visual Basic .NET,Visual C++ .NET,Visual C# .NETとともにVisual Studio IDE(統合開発環境)に収録される。

 企業にとってモバイル開発の重要性が増加するため,Everettに.NET Compact FrameworkとSmart Device Extensionsの統合も予定している。.NET Compact Frameworkは,モバイル・アプリケーションのプラットフォーム技術であり,モバイル機器上でのXML Webサービスを強化する。同フレームワークに対応することで,開発者はVisual Studioの技術を用いてWindows CE .NETをベースとした携帯電話やハンドヘルド・コンピュータなどモバイル機器向けのアプリケーション開発が可能になる。Smart Device Extensionsは,Visual Studio .NET IDEの拡張であり,モバイル開発を容易にするための機能を提供する。

 Everettは,開発者の生産性の向上を狙い20を越えるプログラミング言語への対応を予定している。SQL Serverの次期版SQL Server 2003(開発コード名「Yukon」)向けのVisual Studioでは,ツールと言語間の相乗効果を高め,最新のXML Webサービス標準と仕様のサポートを提供する。

 年間ライセンス契約またはMSDN購読のもとに次期バージョンにアップグレードする権利がないVisual Studio .NETの登録ユーザーは,期間限定でEverettを29ドルで入手できる。同製品の価格と出荷予定は後日発表される予定。また,開発製品の完全なロードマップは,同月28日に同社サイトに掲載される予定。

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