米Yankee Groupが英国時間8月22日に,欧州におけるWebサービスの導入状況に関する調査結果を発表した。それによると,欧州では金融サービスと通信事業者によるWebサービス導入が進んでいるという。

 両業界では2004年末までにWebサービスを全面的に利用するようになる,とYankee社は予測する。「小売りやメーカーなどそのほかの業界では,Webサービス利用の普及は2005年末になるだろう」(同社)

 英国,ドイツ,ベネルクス諸国(ベルギー,オランダ,ルクセンブルク)などにおけるWebサービス導入の増加を牽引するのは大手企業である。

 「欧州全域では,大規模の多国籍企業が複数の既存アプリケーション/システムを統合しようとしている。合併や買収で拡大した企業の場合,Webサービス導入によって統合コストおよび取引コストを50%から60%削減できるだろう」(Yankee社上級アナリストのLandry Fevre氏)

 Yankee社によると,現在ほとんどのWebサービスに関する取り組みは,企業が試験的に社内に導入している段階にあるという。ソフトウエア・ベンダーはドットコム・バブル崩壊後の新たな収入源確保などのため,Webサービスに対するマーケティングに力を入れている。

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