米Xybernautと米Tactical Survey Group(TSG)が,Xybernaut社のウエアラブル・コンピュータとTSG社のソフトウエアを組み合わせたソリューションを共同で販売することで合意に達した。両社が米国時間8月21日に明らかにしたもの。

 両社は同ウエアラブル・ソリューションを,特に重要な建物や施設など,物的資産の詳細データを必要とする分野に向けて提供する。これには,司法機関,軍および政府組織,国防,緊急事態対応などが含まれる。さらにTSG社は,両社ソリューションの統合と顧客の施設における,装置試験とソフトウエアのサポートも行う。

 「これによりユーザーは,建物/施設の設計図や構造の特徴,通信/ネットワーク/電気の配線図,防火設備の場所,重要資産の保管場所といった情報に,迅速にアクセスできるようになる」(Xybernaut社)

 両社はすでに,Xybernaut社のモバイル/ウエアラブル・コンピュータ「Mobile Assistant V」とTSG社のソフトウエアを組み合わせて,地方の司法機関,連邦および民間機関,軍部隊など,複数の顧客に対するデモンストレーションを行ったという。

 同ソリューション導入の第1段階では,物理施設の全体を調査する「Tactical Survey」と呼ぶ作業を行い,非常事態に最初に対応する担当者にとって必要不可欠な施設の全体像に関する情報を作成する。

 Tactical Surveyで収集した情報は,モバイル機器のハード・ディスク装置,CD-ROM,WWWサイトなどに記録する。通常のWWWサイトと同様にハイパーリンクが設けられたサイト・マップや画像をポイントやクリックするだけで,情報にアクセスできる。Xybernaut社のウエアラブル・コンピュータを利用することで,担当者は現場にいながらにしてTactical Surveyによるデータをすべて利用することができるという。

 「Xybernaut社のウエアラブル・コンピュータを使えば,作業中にタイミングよくデータを入手できる。これを当社の技術と組み合わせることで,作業員は現場で重要なデータにアクセスでき,作業効率を高められる」(TSG社社長兼CEOのSteven Larsen氏)

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