米Cisco Systemsが米国時間8月20日に,SAN(Storage Area Networking)市場向けのスイッチング製品を手がける米Andiamo Systemsを買収することで最終合意に達したと発表した。

 Cisco社は2001年にAndiamo社と提携を結んでおり,その際にAndiamo社を買収する権利を得ていた。今回の発表は,この権利を行使するもの。買収取り引き完了の際には,Cisco社は同社が所有する以外のAndiamo社の発行済み株式とオプションのすべてを,Cisco社の株式と交換する。手続きの完了は2004年2月~4月期を予定している。遅くとも2004年7月31日までには完了する。

 買収総額は,手続き完了前の3カ月間におけるAndiamo社製品の売上高などによって異なるが,0~25億ドルの範囲となる見込み。

 Cisco社はAndiamo社を買収することで,自社のデータ・ネットワーキング能力をSANスイッチング市場へ拡大し,「顧客のニーズに対応した革新技術を提供する」(Cisco社)としている。Cisco社の顧客が,個別のストレージ・ネットワークを一つのSANインフラに統合できるようにする。また,企業ストレージ・ネットワークにおける重要なデータの管理および共有に関するコストを削減するためのインテリジェント・サービスも提供する。

 Cisco社社長兼CEOのJohn Chambers氏は,「Andiamo社の技術はデータ・ネットワーキングとストレージ・ネットワーキングの長所を組み合わせている。今回の買収は,ストレージ・ネットワーキングなどの新たな成長市場に参入するという我が社の戦略に則したもの。我が社はストレージ・ネットワーキング市場で,一,二を争うようになるだろう」と述べた。

 またCisco社は,Andiamo社が開発したストレージ・スイッチ製品ファミリを2002年第4四半期に出荷することを明らかにした。Cisco社はIPストレージ・ネットワーキング製品や都市型光SAN接続製品から成る既存のストレージ・ネットワーキング製品を,Andiamo社の製品で拡充する。

 ちなみに米Gartner Groupによると,SAN市場は2002年の12億ドル規模から2006年には43億ドル規模に拡大するという。

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