米Microsoftと米連邦取引委員会(FTC:Federal Trade Commission)は米国時間8月8日,Microsoft社の認証サービス「Passport」に関する調査で和解に達したことを明らかにした。

 FTCは2001年7月に,Electronic Privacy Information Center,Junkbusters社,Privacy Foundationなどのプライバシ擁護団体の要請を受けて調査を行っていた。苦情申し立ての内容は,「Microsoft社が不正競争防止法(Fair Trade Law)に違反してユーザーの情報を取得し,インターネット利用を追跡している」というものだった。

 米メディア(CNET News.com)が報じたFTCコミッショナーTimothy J. Muris氏の発言によると,「Microsoft社は1)Passportシステムとそれによって収集した個人情報のセキュリティ全般に関して,2)『Passport Wallet』を利用したオンライン購入のセキュリティに関して,3)Passportサービスのユーザーから収集した個人情報の種類に関して,4)『Kids Passport』に対応したWebサイトで収集した情報に関して,多数の不当表示を行った」という。

 和解の条件として,Microsoft社はPassportのセキュリティ・プロシージャを形式化およびドキュメント化し,独立した監査を行う。「Microsoft社がオンライン・セキュリティの高い基準に達していることを,FTCのほか,顧客やパートナ企業に示す」(Microsoft社)

 「我が社はFTCと協力し,厳密な調査を行ってきた。その中には,法的に前例の少ない事項や技術的に複雑な問題も含まれていた。セキュリティに関する我が社の義務に従い,過去の責任を容認し,今後もこの高いレベルの責任に準じて行動する」(Microsoft社上級副社長兼顧問のBrad Smith氏)

◎関連記事
【TechWeb特約】プライバシ保護に疑義,プライバシ保護団体がWindows XPの発売延期をFTCに要請
米MSがPassport認証で方針転換,Kerberosを用いた共通ネットの構築を提案
「米MSのPassport,ユーザー数は増えたが大部分は他のサービスが目的」と米ガートナーの調査
米Microsoftが注力するPassport機能,未登録ユーザーの7割は「今後も利用せず」--米ガートナー調べ
マイクロソフト vs. Liberty連合---あなたの個人情報を巡る両刃の剣
Liberty Alliance Projectが認証ソリューション仕様の初版を公開,米サンなどが対応を表明
米サンが「Liberty Alliance」を視野に入れたネットワーク認証ソリューションを発表
「MSの自由にはさせない」,米サン,ドコモ,ソニーなど33社がPassport対抗の認証技術で結集

[発表資料へ]