米Allied Business Intelligence(ABI)が米国時間8月7日に,米国のケーブルTV(CATV)市場について調査した結果を発表した。それによると,CATVサービスの売上高は2001年の361億ドルから2007年には670億ドルに急増するという。

 ケーブル事業者はネットワークをデジタル・システムにアップデートしている。高速インターネット接続,ビデオ・オンデマンド(VOD),ケーブル・テレフォニといったインタラクティブ・サービスの提供が市場の成長を押し上げる。

 ABI社は,ケーブル事業者が2002年のCAPEX(設備投資)をおさえるとみている。金融関連の懸念が高まっているためである。しかし,2003年第3四半期には,従来の支出パターンに戻り始める。ケーブル・テレフォニやVODによるインタラクティブ・サービス収入は,2007年までそれぞれ年平均57%,79%成長する見込みだ。

 「ケーブル事業者は,さまざまな広帯域サービスやエンタテインメント・サービスを1社で提供するために準備をしている。加入者1人当たりの売上高を増やすには,事業者の支出が回復しなければならない」(ABI社上級アナリストのJohn W. Chang氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・2005年には,インタラクティブ・サービスが米国におけるケーブル事業者の総サービス収入の23%を占める。

・サービス,インフラ/装置を含む市場全体の売上高は,2002年末時点で462億ドルに達する。

・2005年に,デジタルCATVサービスの加入者数がアナログ・サービスの加入者数を超える。

・米AT&T Comcastの合併に引き続き,ケーブル業界ではさらに合併や買収が進む。

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