米Sun Microsystemsは動作周波数1.05GHzのプロセサ「UltraSPARC III Cu」を米国時間8月6日,発表した。同社のサーバー,Sun Fire 3800,同4800,同6800,同12K,同15Kに搭載できる。

 UltraSPARC III Cuは銅配線を採用し,従来のプロセサに比べ15%性能が向上するという。Sun社によると,1.05GHz版UltraSPARC III Cuを搭載したSun Fire 15Kサーバーをベンチマーク・テストSPECjbb2000で評価したところ,米IBMのサーバー「p690」の2倍近い性能を示した。また,TPC-H @3000GBでは,世界最高のTPCデータ・ウエアハウス値を得たという。

 同プロセサは,プロセサやメモリーの交換が容易な共通基盤技術「Uniboard」に対応する。同技術はSun Fireのミッドフレームからハイエンドのサーバーが採用しており,顧客は必要に応じてリソースを変更できるという。

 動作周波数の異なるプロセサを混在させて運用することも可能で,「たとえば,1台のサーバー内で900MHz版と1.05GHz版のUltraSPARC III Cuを一緒に使用できる」(Sun社)。複数のプロセサを使っている場合には,システムの電源を入れたままリブートすることなくプロセサの交換が可能になる。「演算能力の配分変更をスムーズに行い,システムを停止することなくプロセサのアップグレードを行える。その結果,TCOを下げ,顧客の資産を無駄にしない」(同社)

 Sun社企業システム製品担当上級副社長兼ジェネラルマネージャのClark Masters氏は,「企業は,ミッションクリティカルで高性能のコンピューティング環境を365日24時間運用し続ける必要がある。その上,IT管理者はコスト削減の努力を怠らず,現在保有している資産をできるだけ活用しなければならない」と説明する。

 「一つのシステムで動作周波数の異なるプロセサの混在を可能にしたことで,コストを削減するだけでなく,ROI(投資回収率)も向上させ,システム・リソースを最大限活かせるようになる」(同氏)

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