米Nasdaq Stock Market,米Microsoft,米PricewaterhouseCoopers(PwC)は米国時間8月6日に,財務情報関連のWebサービスで提携を結んだことを明らかにした。ビジネス文書を記述するためのXML仕様「XBRL(Extensible Business Reporting Language)」を用いる。

 「XBRL技術が広く普及すれば,企業および投資家は,財務報告書発行や投資判断におけるプロセスを簡素化し,ともに恩恵を受けることになるだろう」(Nasdaq社副会長のAlfred Berkeley氏)

 XMLをベースにしたXBRLは,財務データの報告や発行を効率化し,アナリストや投資家がその情報を活用できるようにする。XBRLが登場する前は,投資家は多数の報告書に目を通し,財務諸表の数字を細かくコンピュータに打ち込んで把握しなければならなかった。しかしXBRLを導入すれば,データをタグ付けすることによりデータの処理方法をシステムが認識するので,ユーザーは複数の報告書を読まなくても必要な情報を見つけ出すことができる。

 3社が共同で実施するパイロット・プログラムは,「金融情報のやりとりや投資家への情報提供を簡素化するXBRLの能力を実証するものとなる」(3社)。データ解析機能を備えており,Microsoft社のOfficeからXBRLデータにアクセスできる。共同パイロット・プログラムはNASDAQのWebサイトで利用可能。

 投資家はこのパイロット・プログラムで,NASDAQに上場している21社の財務報告書のデータにリモートでアクセスできる。過去5年までさかのぼった財務データを利用可能。データはXBRLに対応し,Nasdaq社がホスティングを行うWebサービスを介して一般向けに提供する。Microsoft社の「Excel」と同様のインタフェースで利用できる。米Dell Computerのサービス部門Dell Professional Servicesが協力する。

 パイロット・プログラムでは,以下の企業の財務データにアクセスできる。米Intel,Maxim Integrated Products,米Xilinx,米Linear Technology,米Broadcom,米NVIDIA,米Altera,米Microchip Technology,米Marvel Technology Group,米QLogic,米Atmel,米Intersil,米Integrated Device Technology,米Conexant Systems,米RF Micro Devices,米Applied Micro Circuits,米Semtech,米Lattice Semiconductor,米Micrel,米Vitesse Semiconductor,Microsoft社。

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