米Hewlett-packard(HP)は,動作周波数875MHzのプロセサ「PA-8700+」を同社のエントリ・レベルおよびミッドレンジ・サーバーに搭載すると米国時間8月6日,発表した。また同社は,サーバー製品系列「AlphaServer」の拡充についても明らかにした。これまでより高速なAlphaプロセサを搭載する。

 「両サーバー製品系列で,米Sun Microsystemsと米IBMのシステムよりも高いベンチマーク結果を得た」(同社)

 PA-8700+は,6月に同社のハイエンド・サーバー「Superdome」に搭載したプロセサだが,今回16ウエイ・サーバー「HP Server rp8400」,8ウエイ・サーバー「同rp7410」,4ウエイ・サーバー「同rp5400」製品系列にも搭載する。

 HP社が明らかにしている,PA-8700+搭載サーバーの主なベンチマーク・テスト結果は以下の通り。

・ベンチマークSPECjbb2000を使って評価した場合,16ウエイのrp8400は毎秒18万3649個のJava命令を処理し,IBM社のPower4搭載16ウエイ・サーバー「p670」の毎秒16万1904個に比べ13%高速であった。また,Sun社のUltraSPARC 3搭載24ウエイ・サーバー「Sun Fire 6800」の毎秒17万4658個に比べると,プロセサ1個あたりの性能はrp8400の方が58%高い。

・同じくSPECjbb2000で,8ウエイのrp7410は毎秒9万8809個の命令を処理し,同じく8ウエイのSun Fire 6800の4万3353の2倍以上の性能を示した。rp7410は,IBM社の8ウエイ・サーバー「p660 6M1」よりも高性能であった。

 また,HP社が同日発表したAlphaServer製品系列の3種類の新システムは以下の通り。

・「AlphaServer DS25」:動作周波数1GHzのプロセサを搭載し,2ウエイ構成に対応。直ちに利用可能。

・「AlphaServer ES45」「同SC45 Supercomputer」:動作周波数1.25GHzのプロセサを搭載する。すでに出荷を開始している。

・「AlphaServer GS80」「同GS160」「同GS320」:動作周波数1.224GHzのプロセサを搭載する。8月後半に利用可能とする予定。

 HP社は,これらAlphaServerの性能をSPECint2000およびSPECfp2000で計測し,IBM社およびSun社の単一プロセサ・システムと比較している。それによると,AlphaServerの方がIBM社のシステムより最大11%,Sun社のシステムより最大62%高性能であったという。2/4/8/32ウエイ・システムの性能と拡張性をSPECint_rate2000とSPECfp_rate2000で計測したところ,AlphaServerの方がIBM社およびSun社のシステムより最大3倍高い結果を示したという。

 さらにHP社は同日,プロセサの能力をオンデマンドで提供するためのサービス「Temporary instant Capacity On Demand(TiCOD)」についても明らかにした。このサービスを利用すると顧客は,突発的なプロセサ・パワー需要の増加に応じて,「instant Capacity On Demand(iCOD)」プロセサの利用数を一時的に追加できるようになる。

◎関連記事
米HPがPA-8700+搭載のハイエンド・サーバー「Superdome」を発表
米HPが,「我が社のItanium 2搭載システムは米サンや米IBMの製品に勝る」と発表
米サンが動作周波数1.05GHzのUltraSPARC III Cuを発表,銅配線を採用
米IBMがミッドレンジのUNIXサーバー「eServer p670」を発表,「POWER4」搭載
「必要な分だけコンピューティング能力を購入」,米IBMがユーティリティ・モデルのLinuxサービスを発表
Compaqが「Computing on Demand」サービスをPCサーバーにも適用
「2002年Q2の世界サーバー市場は0.5%増の横ばい,米国は2期連続で堅調な伸び」,米データクエスト
IDCが世界サーバー市場を調査・分析,「2002年Q1は再び縮小,しかしブレード・サーバーがけん引し,市場は数年で劇的に変化する」

[発表資料へ]