米Uniform Code Council(UCC)と企業間電子商取引(BtoB)の普及促進を図る民間団体RosettaNetが合併する。両組織が米国時間8月5日に明らかにしたもの。

 UCCは,商品の統一コードの管理を手がける組織。生産者識別コードも発行している。現在UCCは,主に小売および食品業界を対象に,23の業界に向けて活動を行っている。UCCとRosettaNetは,1998年から共同プロジェクトを進めてきた。標準を導入する際の統一的な手法を普及させるのが目的だったという。一方RosettaNetは,電子部品,IT,半導体製造などのハイテク業界に注力している。

 この合併合意によりRosettaNetは今後,UCC傘下の組織として活動していく。ただし,RosettaNetのメンバーによる活動はこれまでのものを継続していくという。「この合併の目的は,両組織が活動対象とする業界に向けたB2B標準の開発/導入を推進し,標準ベースのビジネス機会をメンバー企業に広めることにある」(UCC,RosettaNet)

 両組織が共通の標準開発環境を形成することで,複数の業界に対応可能なB2B標準の共同開発を推進できるという。その結果,「さまざまな業界で標準の導入速度と件数が増加し,世界的なレベルで関連業界が関心を抱くようになる」(両組織)

 「我々のユーザーは常々,『効率的なサプライ・チェーンを実際に作り出すには,標準の導入件数がクリティカル・マスに達する必要がある』と話している。RosettaNetとUCCがそれぞれの強みを補完することで,我々が対象とするさまざまな業界に向けて,より容易かつ迅速に標準を導入できるようになる」(UCC,
プレジデント兼CEOのTom Rittenhouse氏)

 なお,UCCはその長期的な戦略として「同組織標準の対象業界を増やす」ことを掲げており,その主要目標としてハイテク業界に注力している。「RosettaNetとの合併はこの戦略に合致する」(UCC)のだという。

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