米AOLが「AOL 8.0」のベータ・テスト版をリリース，最終版は今秋後半

早坂利之

2002.08.01

　米AOL Time WarnerのAmerica Online（AOL）が米国時間7月31日に，「AOL 8.0」のベータ・テスト版の配布を開始したことを明らかにした。最終版は今秋後半にリリースする予定である。

　「AOL 8.0により，3500万人のAOL会員は最高のサービスを手に入れることができる。AOL 8.0は，コミュニケーション，家族とのやりとり，オンライン・ショッピング，デジタル写真の共有，音楽視聴などの手法に関する会員の意見に耳を傾けて設計した」（AOL社Product Marketing部門執行バイス・プレジデントのDavid Gang氏）

　新版で最も強化を図った機能は，親が子供のオンライン利用を管理する「Parental Controls」。Parental Controlsは「すでに1600万人以上が利用している」（AOL社）という。親はAOLアカウントを利用している子供1人ひとりにどのレベルの制限を設定しているか，ひと目で確認することができる。制限の変更は1回のクリックで簡単に設定可能。「親が子供のオンライン利用を容易に保護し，カスタマイズすることで，子供はもっとオンラインを宿題に活用したり，家族や友人と電子メールをやりとりできる」（AOL社）

　そのほか，家族で安全にオンラインを利用するための情報を提供する機能も備える。年内には「Report Card」というWWWサイトを開設し，子供が訪れたWWWサイトを一覧表示する。また，親は職場や外出先から「AOL.com」サイトを通じてParental Controlsを設定したり変更できるようになる。

　AOL 8.0の新たな電子メール管理機能では，知っている人物からのメッセージだけを閲覧するよう受信メールを振りわける。インスタント・メッセージング機能では，アニメーションのバディ・アイコンや各種サウンドを用意する。

　またAOL 8.0には，バディ・リストに載っている友人に音楽クリップを送信する新たな手法を追加した。「You've Got Pictures」の新サービスも利用可能。「Shop@AOL」では，米Amazonの製品検索技術を取り入れる。

　ちなみにAOL社によると，AOL社ネットワークの1カ月あたりの利用時間は合計10億時間。米国会員1人当たりの利用時間は1日平均1時間以上である。AOL会員が1日に送信する電子メールは最大4億件，インスタント・メッセージは14億件。音楽やビデオのストリーミングは1日当たり100万件を上まわる。オンライン・ショッピングの67％以上はAOL会員によるものだという。