米Borland Softwareはオーストラリアで現地時間7月31日に,オーストラリア移民および先住民局(DIMIA:Australian Department of Immigration and Multicultural and Indigenous Affairs)がビザ発行などを行うeビジネス・システム「eVisa」の開発/運営に「Borland JBuilder」と「Borland Enterprise Server」を使用している,と発表した。

 eVisaでは,ビザの申請と手数料支払いをWWW経由で行うことができ,入国管理事務所に出向いたり,書類を送ったりする必要がなくなるという。

 eVisaを導入するまでは,ビザ取得希望者は申請書を入国管理事務所から直接または郵便で受け取るか,WWWサイトからダウンロードしたデータを印刷して書類を用意する必要があった。必要事項を記入した書類を受理してもらうには,入国管理事務所に提出しなければならない。また手数料の支払いも,事務所で行うか,小切手を送付することで処理していた。

 この手続きを簡素化/迅速化するために,DIMIAはオンラインで申請書提出と手数料支払いを行えるシステム,eVisaを開発した。同システムにより,ビザ取得希望者はeVisaシステムの指示に従って適切な申請書を選択し,オンラインでの提出が可能になる。さらに,手続きがどこまで進んでいるかをインターネット経由で確認することもできる。

 DIMIAはeVisaの作成に,Borland社のJava開発環境Borland JBuilderを使用した。「eVisaは分散システムであり,メインフレームを使っているビザ管理システムなどDIMIAのほかのシステムとスムーズに統合できる」(Borland社)

 またDIMIAはeVisaの運用に,J2EE 1.3互換アプリケーション・サーバー「Borland Enterprise Server, AppServer Edition」を利用している。「これにより,Enterprise JavaBeans(EJB)ベースのeVisaアプリケーションを運用できる堅牢なeビジネス・インフラを実現できた」(Borland社)。また,Borland Enterprise Serverは,eVisaの処理負荷の増加に応じ拡張することが可能という。

 なお現在DIMIAは,市民権取得用オンライン・システムの構築作業を行っており,同システムでもBorland社のJava技術の採用を予定している。

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