米Gartnerと米国の海軍戦争大学(United States Naval War College)が,米国で想定されるサイバー攻撃に対する準備が進んでいるか否かを評価するために,米国時間7月24日から3日間にわたる予行演習を実施する。

 「デジタル・パールハーバー(Digital Pearl Harbor)」と名付けられた同ウォーゲームは,米国内の電力,通信,金融インフラ,そしてインターネット自身に対する攻撃を想定するもの。シナリオをベースとした評価方法で,本土防衛にかかわる技術の脆弱性を調査する。

 同演習の参加者は,米国に対する大規模なサイバー攻撃を共同で計画する。それぞれの業界の知識を用いて,最も効率が良い攻撃方法,異なる業界に対する攻撃がどのように影響し合うかを判断する。また,攻撃の成功に必要な情報要件と,テロリストが身元を明らかにすることなく,これらの情報を獲得するために必要な試みを判断する。

 同演習は,ロードアイランド州ニューポートにある海軍戦争大学で実施され,結果の要約は,8月にGartnerのサイト上で一般に公開される。

 「現在,直接的なテロリズムが国家保安保障の焦点となっているが,サイバーテロが,通信,経済,エネルギー・インフラにどのような損害をもたらすかも評価する必要がある。技術テロのシナリオを作成することにより,適切な対抗手段を講じるための知識を得ることができる」(Gartnerの副社長兼リサーチ・ディレクタのFrench Caldwell氏)

 「米国の指導者が,同国に対してさらにテロリスト攻撃があることを明言している。残念なことに,社会に対して多様なテロ攻撃が存在しており,サイバーテロがその一つである。同演習の目的は,攻撃が行われる形態と,その想定のもとに最も優れた対応を参加者が判断するのを支援することにある」(同氏)

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