スウェーデンのEricssonがスウェーデンで現地時間7月19日に,2002年第2四半期の決算を発表した。売上高は385億クローナ(約41億4700万ドル)で,前年同期の555クローナ(約59億6600万ドル)から31%の減収。税引き前の純損失は35億クローナ(約3億7700万ドル)で前期の54億クローナ(約5億8200万ドル),前年同期の51億クローナ(約5億4900万ドル)から赤字額を縮小した。

 2002年第2四半期は,システムの注文が前期と比べて17%減少したものの,売上高は同4%増加した。前年同期と比べた場合,注文は39%,売上高は32%減少した。

 GSM/WCDMAモバイル・システムの売上高は前年同期と比べて13%低下。米国ではTDMAからGSM/GPRSへの以降により,前期と比べて50%急増した。

 マルチサービス・ネットワークは,注文と売上高ともに下降を続けている。中南米と欧州で,従来の回線スイッチ製品が不振に陥っており,注文と売上高は前年同期と比べて約60%落ち込んだ。

 ソニーとの合弁企業Sony Ericsson Mobile Communicationsは,500万台の携帯電話機を販売した。平均販売価格が高いため,売上高は88億クローナ(約9億4800万ドル)に達したものの,8億クローナ(約8600万ドル)の純損失を計上した。

 また同社は,モバイル・システム事業の2002年における業績予測を,事前の10%以上の減少から15%以上の減少に下方修正した。「これにより2002年は赤字を計上する見込みだが,コスト削減策を推進することで2003年は黒字に回復する」(Ericsson社)としている。

 Ericsson社社長兼CEOのKurt Hellstrom氏は,「2003年の黒字回復を目指し,事業を進める。景気低迷という市場予測から我が社は昨年よりコスト削減に努めており,予定より早くコスト削減計画が進んでいる」と述べた。

 「世界の電気通信業界,とりわけ無線通信は長期的に成長するが,モバイル・システムと携帯電話機が盛り返すのは2003年以降になる」と,Ericsson社は予測する。2002年第2四半期に販売した携帯電話機は推定約8500万台で,前期とほぼ横ばい。2002年通年の販売台数は2001年の3億9000万台と同様か若干減少する見込み。従来の予測は4億台~4億2000万台だった。

 同社は2003年第1四半期と第3四半期に新たなコスト削減策を実施する予定であることも明らかにした。

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