米AOL Time Warnerの株主が米AOL Time Warnerとその一部の経営幹部に対し,集団訴訟を起こした。法律事務所のBerger & Montague, P.C.が米国時間7月19日に明らかにしたもの。原告は2000年10月18日から2002年7月17日に同社の有価証券を購入した個人および団体である。

 原告側の主張は,AOL Time Warner社が証券取引法のセクション10および20に反し,2000年第3四半期以降,著しく内容を偽った広告収入報告を行ったというもの。また,AOL社の数万株におよぶ株式がインサイダー取り引きされたことも指摘している。

 「AOL Time Warner社は‘慣習に従わない’一連の取り引きにより,2000年10月18日から2002年7月17日に2億7000万ドルの広告収入を得ている」(Berger & Montague, P.C.社)

 ちなみに,AOL Time Warner社は7月18日に,COOのRobert W. Pittman氏が退任することを発表している。

 新たな編成では,元米Time会長兼CEOのDon Logan氏が「Media & Communications Group」部門の会長に就く。Media & Communications Group部門には,米America Online,Time社,米Time Warner Cableをはじめ,AOL Time Warner Book Group部門やInteractive Video部門が含まれる。また,元米HBO会長兼CEOのJeff Bewkes氏が「Entertainment & Networks Group」部門の会長に就任する。Entertainment & Networks Group部門には,HBO社のほか,米New Line Cinema,米WB,米Turner Networks,米Warner Bros.,米Warner Musicが含まれる。

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