業界アナリストの米IDC社が米国時間7月18日に,Web侵入防御の市場に関する調査結果を発表した。同社は,前年6500万ドル規模だった同市場は年平均成長率60.5%で,2006年までに3倍の7億ドルに成長する,と予測している。

 同社によれば,現在企業は,ネットワーク・セキュリティに数百万ドルを出資しているが,依然としてハッカーとクラッカが企業のWebサイトとアプリケーションに侵入している。これは,企業ネットワークはいまだに脆弱であることを示しているという。

 「企業はファイアウオールやIDSのようなネットワーク・セキュリティ・ツールを,強力なWeb侵入防御メカニズムで増強する必要性を認識するようになる。そのため,同市場はおよそ3倍の規模に成長し,多くのベンダーが恩恵を受けることにになる」(同社のリサーチ・マネージャのCharles Kolodgy氏)。

 「企業にとってWebプレゼンスは必要不可欠であると同時に,これはセキュリティ問題の中心でもある。Webサイトはアクセスできることを目的に存在しており,ファイアウオール・ポートは通信用に開いておく必要があるため,Webサイトと関連アプリケーション,データベースのセキュリティ確保は難しい問題となっている」(同氏)。

 同社によれば,現在のネットワーク侵入検知のメソッドはアプリケーション・レイヤーに設計されていないため,このレイヤーをターゲットとした多数の脆弱性に対する保護が十分ではない。特定のアプリケーション・レベルの攻撃を妨害するように設計された製品とソリューションを採用する必要があるという。

 企業は,信頼できるビジネス・プラットフォームを確立するという共通の目的のもとに,多数のWebサーバーとWebアプリケーションに特有な脆弱性を解消するためのツールを開発しているという。

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