米Dell Computerが米国時間7月18日に,同社の年次株主総会の場で,今後の業績見通しなどについて発表した。「当社は現在,創業以来もっとも強力で優れた競争力を有する状態にある」(Dell社会長兼CEOのMichael Dell氏)

 Dell氏は,「なぜ当社だけがいくつもの巨大コンピュータ・システム企業のなかで利益を上げ,市場シェアを拡大しているのか,なぜこの低迷する業界の傾向に反し,業績見込みを上方修正できたのか」について,株主らに説明した。

 Dell氏によると,同社は2003会計年度(2002年2月~2003年1月)のあいだに,10億ドル以上の経費削減を行う取り組みを進めているという。「この努力が,過去6四半期のあいだに世界市場の32%という驚くべきシェアを獲得することにつながった」(同氏)

 同社は7月11日に,2003会計年度第2四半期(2002年5月~7月期)決算予測の上方修正を発表している。それによると,売上高は前年同期比9%増の83億ドルに達する見通し。1株当たり利益は19セントで,一時的な費用を除いた前年同期の1株当たり利益より19%増加する見込みである。「業績予測と同等または上回る結果を出せるのは,これで6四半期連続になる」(同社)

 また今後の方針について同氏は,「“customer experience(顧客本意)”,“globalization(国際化)”,“product leadership(製品によるリーダーシップ)”,“winning culture(勝てる文化)”という4つの戦略的な取り組みに注力していく」(同氏)と述べた。

 同社は,正式な2002会計年度第2四半期と同第3四半期(2002年8月~10月期)の業績見通しを8月15日に発表する予定である。

◎関連記事
米デルが2002年5月~7月期決算を上方修正,「米国市場の教育/政府/消費者分野が好調」
米デルの2002年2月~4月期決算,売上高約81億ドルで事前の予測を上まわる
2001年の世界PC市場「米デルの出荷台数はダントツ,米HPと米コンパックが合併してもかなわない」と米データクエスト
米サンが2002年4月~6月期と通期の決算を発表,4月~6月期では黒字転換,通期では6億2800万ドルの赤字
米IBMの2002年2Q決算,14億5000万ドルの黒字に
米HPの4月期決算,純利益が前年同期比436%増と好調,ただし「2003年まではIT支出の顕著な回復はない」とフィオリーナ氏
この不景気に何をする? 大手コンピュータ6社経営トップの施策とは
米IDCが2002年の世界パソコン出荷台数予測を前年比4.7%増に上方修正,「徐々に回復に向かう」

[発表資料へ]