米J.D. Power社は長距離通信事業者のに対する満足度について米国家庭1万1500を対象に行った調査結果を米国時間7月18日,発表した。長距離通話サービスに月50ドル以上支払っている顧客の間では,米Verizon社がもっとも顧客満足度が高かった。また主流を占める月額50ドル以下の顧客間では,米Cincinnati Bell社のランクがもっとも高かった。その他の結果として,従来の有線長距離電話から無線とインターネットを使用したコミュニケーションへの移行が進んでいることが明らかになった。

 調査では,全体的な顧客満足度を促進する要素としてサービスの料金,イメージ,請求方法,パフォーマンスと信頼性,顧客サービス,プロモーションを評価している。ハイボリューム・ユーザー間で成功を収めているVerizon社は,6つの要素の中でプロモーションを除く5つの要素で優れたパフォーマンスを見せている。

 「他の大半の長距離通信事業者では全般的な満足度が低下している中で,Verizon社の顧客満足度は向上している。同社の顧客は,特に多様なサービスと1枚の請求書に対する複数サービス提供の割り引きオファーに満足している」(同社の調査ディレクタのRichard Ellrodt氏)

 Cincinnati Bell社は,長距離電話に月50ドル以下を支出している顧客の間で2年連続首位を獲得している。同社は,上記の6つの要素において,サービス料金以外のすべての要素で首位を獲得している。

 「同社の問題解決プロセスが非常に優れているため,問題を経験した顧客は,問題がなかったという顧客と同じぐらい満足しており,これは電話会社にとって異例な結果となった」(同氏)。

 また調査では,従来の長距離電話が,引き続き無線,電子メール,インターネットのインスタント・メッセージング,インターネット・ベースの通話などの異なる形態のコミュニケーションに移行していることが明らかになった。回答者の57%が有線長距離電話に代わるものを使用しているという。その中で無線を使う顧客の増加がもっとも大きく,長距離電話の38%に無線を使用しているという。

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