米Apple ComputerはMac OS Xの新版「バージョン10.2」(開発コード名「Jaguar」)を米国時間7月17日,発表した。2002年8月24日に出荷を開始する。価格は129ドル。
Mac OS X v10.2には,米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)のインスタント・メッセージング・ソフトウエア「AOL Instant Messenger(AIM)」に対応した「iChat」が付属する。「Mac.com」ユーザーだけでなくAOLサービスのユーザーとチャットを楽しむことができる。電子メール・ソフトウエア「Mail」は,メッセージの内容を学習して迷惑メールを判断するフィルタ機能を備える。
また,アドレス帳機能「Address Book」,手書き認識機能「Inkwell」,MPEG-4対応ストリーミング・ソフトウエア「QuickTime 6」,障害のあるユーザーの使い勝手を高める「Universal Access」,検索機能「Sherlock 3」,家庭ネットワーキング機能「Rendezvous」,グラフィックス機能「Quartz Extreme」を搭載する。
Finder機能を強化し,Windowsネットワークとの接続やファイル共有に向けた機能を向上したほか,FreeBSD 4.4およびGCC 3.1対応開発者ツールを提供する。
Mac OS X v10.2は「iMac」「iBook」「Power Macintosh G3」「Power Mac G4」「Power Mac G4 Cube」,および1998年5月以降にリリースされた「PowerBook」で動作する。主記憶は128Mバイト以上必要。
Mac OS X v10.2の価格は製品版が129ドル,アップデート版が19.95ドル。7月17日以降に「Macintosh」システムを新規購入したユーザーは,無償でMac OS X v10.2にアップグレードできる。
また,同社はMac OS X Serverの次期版となる「Mac OS X Server v10.2」を発表した。UNIXの長所とMacintoshの使いやすさを組み合わせており,「50以上の新機能を備える」(Apple社)。
Mac OS X Server v10.2の主な特徴は以下の通り。
・複数のMacintoshシステムをネットワークから立ち上げる「NetBoot」。
・Mac OS Xやアプリケーションのインストールをネットワークから自動で行う「Network Install」。
・LDAPv3ディレクトリ・サーバーと連携し,ユーザー,グループ,コンピュータを管理する「Workgroup Manager」。
・LDAPv3ディレクトリ・サーバーの設定を簡素化する「Open Directory」。
・QuickTimeコンテンツをMPEG-4形式に変換し,Web上でのライブ・ストリーミングを可能にする「QuickTime Streaming Server 4」と「QuickTime Broadcaster」。
・SOAP,XML-RPC,サーバー向けJava VM,JSP,Java Servletなどをサポート。
・リモート・サーバー管理機能「Server Status Tool」。
Mac OS X Server v10.2は2002年8月24日に出荷する。価格は「10-Client Edition」が499ドル,「Unlimited-Client Edition」が999ドル。
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