米Sun Microsystemsはネットワーク認証ソリューション向け仕様「Liberty Alliance version 1.0」対応の製品/サービス/サポートを提供する包括的な新ソリューション「Sun ONE Platform for Network Identity」を米国時間7月16日,発表した。

 Liberty Alliance version 1.0は,ユーザー認証技術の標準化団体Liberty Alliance Projectが7月15日に公開したシングル・サインオン認証を実現するための標準仕様である。

 「認証はWebサービスの最も基本的な部分であり,顧客はWeb上でスムーズな商取引を実現するオープンかつ相互運用性のあるソリューションを求めている」(Sun社ソフトウエア担当上級副社長のJonathan Schwartz氏)

 さらに同氏は,「当社のソリューションにより,顧客はネットワーク認証環境の安全性を高めながら,既存のシステム間に存在する冗長性を削減できる。社内の組織内や協業している他社とのあいだで,シングル・サインオンを今すぐに使えるようになる」と説明する。

 Sun ONE Platform for Network Identityでは,Liberty Alliance version 1.0対応の「Sun ONE Identity Server 6」「Sun ONE Directory Server 5.2」「Solaris 9 Operating Environment(OE)」といったソフトウエア,各種サービス,ハードウエアを提供する。

 Sun ONE Platform for Network Identityの主な内容は以下の通り。

・Sun ONE Identity Server 6:分散システム間でシングル・サインオンを実現する。Liberty,SAML(Security Assertion Markup Language)などのオープンな標準技術をベースにしているので,「特定ベンダーに縛られることなく既存のシステムにSun ONE製品を組み込むことができる」(Sun社)。また,Kerberos v5,Windows NT/同2000用認証プラグイン,自動リソース・ベース認証,OSCP(Oracle Storage Compatibility Program)などの認証,ポリシー管理,セキュリティ制御も提供する。「Sun ONE Application Server」のほか,米BEA SystemsのWeb Logic Server,ドイツSAP AGのWeb Application Server,米IBMのWebSphereなどのアプリケーション・サーバーに対応している。早期アクセス・プログラム登録者は,同日より利用可能。一般向けには2002年10月にリリースの予定。

・Sun ONE Directory Server 5.2:Microsoft Active Directoryとのパスワード同期機能と,64ビット・アドレッシングに対応する。2002年11月に利用可能とする。

・各種サービス:「Security Hardening Service」では,Solaris OEのコントロールを使用し,識別,認証,アクセス制御を提供する。「Security Assessment Service for Firewall DMZ」では,外部からの攻撃に対する防御を支援する。いずれのサービスも,すでに利用可能となっている。さらに,教育/コンサルティング/サポートを提供するサービスも利用できる。

 なお同社によると,ほかの製品も順次Liberty仕様に対応させるという。「まずは『Sun ONE Portal Server』のLiberty仕様対応に取り掛かる」(同社)

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