米IBMが米国時間7月15日に,大規模システム向けストレージ・サーバー「TotalStorage Enterprise Storage Server(ESS)」(開発コード名は「Shark」)の新製品「Model 800」と「同800 Turbo」を発表した。

 「大量のオンライン・トランザクションをリアルタイムで処理しなければならない金融,販売,製造業など要求に応える。従来モデルと比べてデータ・バックアップ性能は50%向上し,災害復旧のためのリモート・コピー速度は125%上まわる」(IBM社)

 基本システム構成のストレージ容量は72.8Gバイト。18.2Gバイトまたは36.4Gバイト構成では回転速度1万5000PRMのハード・ディスク装置を用いる。64Gバイトのキャッシュ・メモリーを搭載し,RAID 10(ミラーリングおよびストライピング)をサポートする。

 TotalStorage ESS Model 800および同800 Turboの主な特徴は以下の通り。

・自己管理/保護/修復可能なシステムを開発するプロジェクト「Project eLiza」で開発された機能を備える。障害予測分析やプリエンプティブなRAID再構成,インテリジェント・キャッシュ管理などの機能が含まれる。

・FCPおよびFICONをサポートするデータ伝送速度2Gbpsのホスト・アダプタを採用。「高性能SANのバックボーンとして用いることで,ストレージ・ネットワークにおける性能の向上と距離の拡張を可能にする」(IBM社)

・リモート・コピーを行うデータ・バックアップ・ソフトウエア「Peer-to-Peer Remote Copy(PPRC)」「PPRC Extended Distance(PPRC-XD)」,アプリケーションを停止することなく高速バックアップを実行する「FlashCopy」機能を備える。
 
 TotalStorage ESS Model 800および同800 Turboは2002年8月16日に一般向けに出荷する。

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