米NCRが特許を侵害されたとして米Palmと米Handspringを訴えていた係争で,「侵害の事実はない」とする略式判決が下った。Palm社とHandspring社がそれぞれ米国時間7月12日に明らかにしたもの。

 この係争では,Palm社とHandspring社がNCR社の所有する“携帯可能な個人用端末”に関する2件の特許を侵害したとして,NCR社が2001年3月に両社を訴えていた。「NCR社は2000年3月に,Handspring社に対して特許侵害の件を通知していた。しかしPalm社には,実際に提訴するまで連絡がなかった」(Palm社)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,問題の特許は携帯端末を使って通信ネットワーク経由で金銭取引を実行するための技術である。しかしPalm社によれば,「NCR社は10年以上前に問題の特許を取得してから,まったく使用せず,関連する製品を販売してもいない」という。

 今回の判決は,7月11日にデラウエア州連邦地裁治安判事のMary Pat Thynge氏が下した。Handspring社によると,同氏は「NCR社の特許はHandspring社の製品や技術に使用されていない」との判断を示したという。

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[Palm社の発表資料]
[Handspring社の発表資料]