イタリア,フランス合弁のSTMicroelectronicsが,スマート・カード向けのUSB認定を受けたマイクロコントローラ「ST19XT34」の量産品の出荷をはじめた。同社がスイスのジュネーブで現地時間7月11日に明らかにしたもの。「クロック・リカバリ機能付きのUSB認定LSIを量産出荷したのは,当社が世界で初めて」(同社)

 ST19XT34は,セキュア機能を持つマイクロコントローラ・コアに,大容量の不揮発性メモリー,USB,スマート・カード用インタフェースISO 7816を統合したLSI。同USBインタフェースは完全なクロック・リカバリ機能を備えているので,クロック用水晶やプルアップ抵抗などの外部コンポーネントは不要。

 「ST19XT34は,パソコンによる自動認識に対応する安全なプラグ&プレイUSB機器の開発に最適」(同社)という。パソコンの動作中に接続でき,ISO 7816よりも高速な通信が可能である。

 USBとISO 7816-3の両方に対応しているので,USB対応リーダー以外に,既存の接触型スマート・カード・リーダーも使用できる。さらに,ISO/USBモードの検出機能があり,パソコンやカード・リーダーの通信モードに合わせた自動応答にも対応する。

 ST19XT34は,安全なログイン/電子メール,電子署名,安全なイントラネット/エクストラネット/インターネット/リモート・アクセスといった,パソコン用アプリケーション向けの製品という。

 「持ち運びが容易なので,電子署名やバイオメトリクス情報を常に携帯し,家庭やオフィス,移動中,インターネット・カフェなど,どこでも安全に認証作業を行える」(STMicroelectronics社グループ副社長兼スマートカード部門担当ジェネラルマネージャのMaurizio Felici氏)

 同社は,2002年第1四半期にST19XT34の主要顧客向け出荷を開始した。なお同LSIがUSB認定を受けたのは,2002年1月の初めという。

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