カナダのNortel Networksは現地時間7月10日に,米国で2番目のワイヤレス通信事業者Cingular Wireless社に初の商用EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)無線と基地局装置を提供したことを発表した。

 両社は2002年3月に提携を結んでおり,その一環としてCingularは,ノースカロライナ州,サウスカロライナ州,ジョージア州沿岸部,テネシー州西部,プエルトリコを含むいくつかの市場にNortel NetworksのEDGEソリューションを配備をする予定となっている。Cingularは,同社のEDGE技術により,ネットワーク容量を増強するとともに,成長する加入者ベースに対して高度な無線データ・サービスが提供できるようになるという。

 EDGEは,ITU(国際電気通信連合)が認定する第3世代技術の無線データ伝送技術の一つ。Webブラウジング,ストリーミング・オーディオ,ビデオ,マルチメディア・メッセージング,位置情報サービス,mコマース,VPNやその他の無線サービスなどの第3世代パケット・データ伝送技術向けに設計されており,既存のGPRS(General Packet Radio Services)のおよそ3倍のデータ転送速度を実現する。同技術により,TDMAとGSM方式を使う通信事業者が既存の通信設備を使って第3世代の高速データ伝送サービスが可能になる。

 Cingularは,2001年10月にインフラでNortel Networks技術を使用している地域において,GPRSネットワークの開始を発表している。2001年9月に同社は全米87市場を接続するATMバックボーンの提供にNortel Networksを選択した。また他の通信事業者との共有ネットワーク・アレンジメントの管理でネットワーク効率を向上させるタンデム交換装置の実装でもNortel Networksを選択している。

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