米FileMakerはデータベース・ソフトウエアの新版「FileMaker Pro 6」を米国時間7月9日,発表した。「これまで以上に使いやすいテンプレートやツールを備え,画像データの扱いが容易になった」(FileMaker社)という。

 「ビジネス/教育/家庭向けに20種類以上の新しいテンプレートを提供する。ほとんどすべてのFileMaker Pro 6ユーザーが,すぐに生産性を向上するという恩恵を受けられる」(同社)

 新版では,パソコン上のフォルダにある画像データを,データベース内に容易に取り込めるようになった。Mac OS X上で動作している場合は,Mac OS X対応のデジタル・カメラから,画像データやExif画像データ(撮影日時や露出などの情報)を直接取り込むことができる。Mac OS Xで対応しているカメラの一覧は,米Apple ComputerのWebサイトに掲載している。

 FileMaker Pro 6では,XMLデータのインポート/エクスポートが可能になった。これにより,「実質的に情報交換に制限がなくなる」(FileMaker社)という。「例えば,XML対応のWebアプリケーションからのデータ取得や,米Intuitの『QuickBooks』からの会計データのインポートが可能になる。また,ODBCドライバを使わずに,企業のデータベースにクエリーを送ることもできる」(同社)

 FileMaker Pro 6の対応OSは,Windows XP,Windows 2000,Windows 98,Windows NT 4.0(Service Pack 6),Windows ME,Mac OS X,Mac OS 8.6~9.2。

 パッケージとしては,以下の3種類の製品を用意する。

・FileMaker Pro 6:直ちに利用可能。希望小売価格は299ドル。旧版からのアップグレード価格は149ドル。

・FileMaker Pro 6 Unlimited:作成したFileMakerデータベースを,インターネットまたはイントラネットでWebユーザーに公開できる。ユーザー数は無制限。直ちに利用可能。希望小売価格は999ドル。「FileMaker Pro 5 Unlimited」「同5.5 Unlimited」のライセンス所有者は499ドルでアップグレード可能。FileMaker Pro 6からのアップグレード・サービスも用意する。また,FileMaker Pro 5.5 Unlimitedのライセンス所有者が2002年12月31日までにアップグレードした場合は,350ドルの払い戻しを受けることができる。

・FileMaker Developer 6:FileMaker Pro 6の機能に加え,スクリプト・デバッガ,データベース設計レポート,開発用ツールなどを備える。2002年9月に利用可能とする予定。希望小売価格は499ドル。旧版のライセンス所有者は,100ドルの払い戻しを受けることができる。

 同社は同日,実戦的なソリューションの設計/導入方法を開発者に提供するための取り組み「FileMaker Professional Training Foundation Series」についても明らかにしている。

 また同社は同日,XMLを使ったデータ交換やアプリケーション統合の支援を目的とするWebサイト,「FileMaker XML Central」の内容を拡充したことを明らかにした。

 同サイトでは,「FileMaker XSLT Library」からXSLTスタイルシートのダウンロードを行える。「現在40種類以上のスタイルシートがあるが,開発者が提供してくれることにより,今後その数は増えるだろう」(同社)

 さらに同サイトでは,XMLを利用したソリューションの作成/導入に関する疑問および回答を共有する目的で,開発者向けコミュニティ「FileMaker XML Talk」を開設する。

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[発表資料(FileMaker Pro 6)]
[発表資料(FileMaker XML Central)]