インターネットの標準化を進めるWorld Wide Web Consortium(W3C)が米国時間7月9日に,XMLベースのWebサービス記述言語「Web Services Description Language(WSDL)1.2」と「WSDL 1.2 Bindings」をW3C公開ワーキング・ドラフト(Public Working Draft)として発表した。

 WSDL 1.2は,Webサービスにおいて,交換対象のデータ,使用するプロトコル,WebサービスのWWW上での位置を記述することができる。WSDL 1.2 Bindingsは,WSDL 1.2と,SOAP 1.2,HTTP,MIMEをどのように組み合わせて使用するかを記述するための言語である。

 W3Cは,2001年3月15日にWSDL 1.1をノート(Note)として公開していた。同日公開したWSDL 1.2は,WSDL 1.1を改善したものという。

 WSDL 1.2の主な特徴は以下の通り。

・開発者が理解/使用しやすい,明確な言語定義

・XML SchemasおよびXML Information SetなどのW3C勧告に対応

・より簡潔かつ柔軟な記述コンポーネント定義を可能とする,概念的なフレームワークを採用

・WSDL 1.1にあった不要または相互運用性に欠けた機能を削除

・HTTP 1.1に対するバインディングの定義を改善。また,今後SOAP 1.2との組み合わせを可能とする手段を提供する。

 なお,WSDL 1.2およびWSDL 1.2 Bindingsの策定に協力した主な企業/組織は以下の通り。米AT&T,キヤノン,米Cisco Systems,米Citigroup,米Computer Associates International,米Cyclone Commerce,ドイツDaimlerChrysler Research and Technology,フランスL'Echangeur,米Electronic Data Systems,Global Grid Forum,米W.W. Grainger,米Hewlett-Packard,米Intel,アイルランドIONA Technologies,米IBM,米Lexmark International,米Macromedia,メリーランド大学,米Microsoft,フィンランドNokia,米Oracle,米Rogue Wave Software,ドイツSAP AG,ドイツSoftware AG,米Sun Microsystems,米Systinet,米TIBCO Software,米Verisign,米webMethods,米Xerox。

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