米HP(Hewlett-packard)は米国時間7月8日に,Itanium 2搭載の同社製サーバー/ワークステーションは,米Sun MicrosystemsのUltraSPARC IIIや米IBMのPower 4を搭載するシステムに比べ価格性能比に優れている,とする声明を発表した。

 HPが同日発表した,Itanium 2搭載システムは,HP-UX,Windows,Linuxのそれぞれの環境において,高い費用対効果をもって企業顧客の厳しい要求に応えられる,という。「HP社は変化する顧客ニーズに応えられるソリューションを提供することで,また再びコンピューティング・テクノロジの最前線に立った」(HP社ワールドワイド・マーケティング・ディレクタのMark Hudson氏)

 HP社が同日発表した各種ベンチマーク・テスト結果の概要は以下の通り。いずれもItanium 2プロセサ,HP社のチップセット「zx1」を搭載したシステムとなる。

・ERP(Enterprise resource planning):Itanium 2を四つ搭載したHP Server rx5670。ベンチマーク「SAP R/3 Sales and Distribution 2-tier」(SDユーザーは470)における平均応答時間は1.82秒。ダイアログ・ステップは1時間あたり14万1254。ソフトウエアはSQL Server 2000 Enterprise Edition (64-bit)のベータ版とWindows Advanced Server Limited Edition version 1.2を使用している。

・データベース・サーバー:Itanium 2を四つ搭載したHP Server rx5670。TPC-Cベンチマークで78,455 tpmCと$5.12/tpmCを記録した。ソフトウエアは上記ERPの場合と同じ。HP社では「競合するすべての製品を凌ぐ性能」と説明する。

・Webサーバー性能(SSL):HP Server rx5670におけるSPECweb99_SSLベンチマークの結果は1520。「900MHz動作のUltraSPARC III Cuを搭載するSun Fire V480に比べ2.7倍,1GHz動作Power4搭載のeServer P630に比べ1.4倍性能が高い」(HP社)という。

・科学/技術コンピューティング:1GHz動作Itanium 2搭載のHP Server rx5670におけるLinpack n=1000ベンチマークで, 「1.3 GHz動作Power4搭載のIBM eServer pSeries 690に比べ22%性能が高かった」(HP社)

 このほかCAE(Computer-aided engineering)ではHP Workstation zx6000とHP Server rx2600が,浮動小数点演算ではHP Workstation zx6000 が他社システムに比べ高い性能を示したという。

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