米WorldComの資産買収を提案している米IDTが米国時間7月5日に,WorldCom社の顧客に向けたサービス継続プランの内容を明らかにした。「WorldCom社が破産や休業などなんらかの理由でネットワークを停止した場合でも,WorldCom社の顧客が高品質の電気通信サービスを継続して受けられることを保証する」(IDT社)としている。

 「我が社はWorldCom社の顧客が現在のサービスを継続して受けることを望んでいる。我が社が買収または引き継ぎをすれば,WorldCom社の顧客として残ることにそれなりの価値がある。我が社はバックアップとなる代替プランを確立した。WorldCom社の顧客は現在のサービスから去る必要はない」(IDT社会長のHoward Jonas氏)

 IDT社は,WorldCom社のMFS部門およびBrooks Fiber部門とWorldCom社傘下のMCI Groupの消費者および企業向け長距離通信部門を50億ドルで買収する提案をしたことを7月2日に明らかにしている。

 IDT社CEOのJim Courterは代替プランについて,「市場シェアを獲得するための戦略ではない。WorldCom社の顧客を救済し,電気通信業界における競争を維持するためのものだ」と説明した。

 IDT社が発表した代替プランでは,WorldCom社MFS部門およびBrooks Fiber部門の顧客は,IDT社傘下のWinstarのLANを利用して既存のサービスを維持できる。Winstar社は音声およびデータ接続を提供する。また,MCI Groupの消費者および企業向け長距離通信部門の顧客には特別なアカウント・ナンバーを与え,IDT社の長距離ネットワークにアクセスできるようにする。

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