米IDCは米国時間7月1日に,「全世界における電子商取引アプリケーション市場は2006年に約170億ドル規模に達する」との予測分析を発表した。2001年の市場規模の3倍以上に成長する見通しだという。

 市場の成長を押し上げるのは,高性能アプリケーションや垂直市場向けソリューションへの需要の高まりだ。また“統合型商取引”概念の基盤となるWebサービスの普及も,市場の成長に貢献する。

 「これまで電子商取引アプリケーションを取り扱ったことのあるベンダーの多くが,市場にインパクトを与えるには新しい技術の採用が重要だと気づいている」と,IDC,eCommerce Applicationsプログラム担当リサーチ・マネージャのAlbert Pang氏は説明する。また「ベンダーは,他社との差別化を図るために垂直市場に焦点を当てるようになる」(同氏)という。

 電子商取引アプリケーションにはこれまで,性能の問題がつきものだったが,Webサービスの浸透によって解決される見通しだ。ベンダーの中には,特定のアプリケーション・コンポーネントをWebサービスとして公開し始めているものもある。

 電子商取引アプリケーション市場では今後,“統合型商取引”の概念がより重要になる。顧客,サプライヤ,提携企業からデータを収集および統合するために,電子商取引サイトを活用する企業が増えているからだ。このためベンダーが市場で優位に立つには,データの統合とアクセスを容易に行える技術の提供が重要となる。

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