総合メディア企業であるフランスのVivendi Universal(VU)がフランスで現地時間7月2日に,フランスの新聞「Le Monde」に掲載された記事に対する声明を発表した(IT Pro注:同日発行のLe Monde紙にはVU社の粉飾決算疑惑が報じられている)。

 VU社のコメントの主な内容は以下の通り。

 2001年10月にVU社は,欧州委員会(EC)の命令に従い2002年10月までにBSkyB社の株式を売却することを決定した。これは,VU社のSeagram社買収に伴う条件としてECが要求したものである。VU社は,大規模な株式売却に伴う減価を引き起こすことなく,市場でBSkyB社の株式を売ることができた。それにより,株式売却に関する税金コストを削減し,振替済みのBSkyB社株式の一部について経済的参加を維持した。

 こうした会計処理は,米国の会計原則(GAAP)で特に扱われているが,フランスのGAAPのもとでは定かではなかった。そのためVU社は監査役に意見を求め,両国のGAAPに準じた会計を検討した。2001年11月にVU社の規定者(COB:Commission de Operations de Bourse)と会い,フランスのGAAPに基づいたBSkyB社株式売却に関する会計案を話し合った。

 2002年3月,2001年通年の決算報告を発表する前に,COBからアドバイスを受けた。フランスのGAAPに基づいた場合,最初の売却手続きをBSkyB社株式を担保にした借り入れとして処理しなければならないという内容だった。また,関連する12月の手続きも売り上げとしてではなく取引として処理するよう勧められた。結果として税引き前利益が約11億ユーロ(約10億8000万ドル)となった。2001年におけるこれらの会計処理は,ある程度COBの要請に従ったものである。

 VU社はこの会計処理について,米国証券取引委員会(SEC)の代表者とも米国の GAAPに基づいた検討を行った。SECからは,VU社のBSkyB社株式売却に関する扱いについて,米国GAAPのもとでは発表通りで異論はないとの通知を受けた。

◎関連記事
米ワールドコム,2001年および2002年Q1決算の監査結果をSECに提出
米ワールドコムのCEOと会長がブッシュ大統領に書簡,「問題に真正面から取り組む」
崩壊する米国製グローバル・スタンダード――ワールドコム粉飾決算がトドメを刺す<

[発表資料へ]