米Microsoftは,スペインで開催されているMicrosoft Tech Ed 2002 Europeの会場で現地時間7月1日に,Java言語用開発ツール「Microsoft Visual J# .NET」を発表した。これにより,Java言語を使ったアプリケーションやサービスの開発が「Microsoft .NET Framework」上で可能となる。

 Microsoft社のWebアプリケーション作成/展開用開発ツール「Visual Studio .NET」では,「Visual C++ .NET」「Visual C# .NET」「Visual Basic .NET」といったプログラム言語を用意している。Visual J# .NETがこれに加わることで,同社が提供を予定していたプログラミング言語がすべて揃ったという。

 「Java言語を利用している開発者は,Visual J# .NETを使うことで容易にXML対応Webサービスへ移行できる。そして,さまざまな言語で書かれた既存のソフトウエアとJavaプログラムとの相互運用性を大幅に高める。当社の『Visual J++』や,他のJava言語を利用する開発者は,すでに習得しているスキルやコードを用いて.NET Platformを活用することができる」(Microsoft社)

 Visual J# .NETの主な特徴は以下の通り。

・Visual Studio .NETとの統合:統合開発環境(IDE)であるVisual Studio .NETのツールや機能をすべて利用できる。

・.NET Frameworkとの統合:他言語と組み合わせての利用や,「ASP.NET」,「ADO.NET」,「Windows Forms」,XML対応Webサービスなど,.NET Frameworkを十分活用できるよう設計されている。

・「Visual J++ 6.0」アップグレード・ツール:既存のVisual J++ 6.0のプロジェクトとソリューションを,Visual Studio .NET形式に自動変換するツールを備える。

 Visual Studio .NETのユーザーは,Microsoft Visual J# .NETをMicrosoft社のWWWサイトまたは「MSDN」ダウンロード用WWWサイトから入手できる。

 なお,Visual J# .NETはMicrosoft社が独自開発したもので,米Sun Microsystemsの承認および保証は受けていない。

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