米Microsoftは米国時間6月25日,Tablet PC向けOS「Windows XP Tablet PC Edition」を11月7日にリリースすると発表した。同社Productivity and Business Services部門バイス・プレジデントのJeff Raikes氏が,ニューヨークで開催中の「TECHXNY」で明らかにしたもの。

 同氏は基調講演で,富士通の米国子会社Fujitsu PC,Motion Computing社,東芝などが作成したTablet PCのプロトタイプをはじめ,カナダのCorel,米Adobe Systems,FranklinCovey/Agilix社のTablet PC向けアプリケーションのデモを行った。Microsoft社によると,ドイツのSAP AGもTablet PC向けのソフトウエアを開発中だという。

 Microsoft社の特定の顧客が,30日以内に「Windows XP Professional Tablet PC Edition」のベータ版を搭載したプロトタイプを導入する予定である。

 またMicrosoft社は,オフィス・スイート「Office」の次期版を2003年半ばにリリースすることや,VoiceStream/T-Mobile社が今夏下旬に米国で「Windows Powered Pocket PC 2002 Phone Edition」搭載機を発売することもあわせて発表した。Windows Powered Pocket PC 2002 Phone EditionはPocket PCの新製品で,PDAの長所と無線音声/データ機能を組み合わせている。

 「さまざまな職業の社員が情報技術を利用している。それは看護士だったり,保険外交員だったり,1日8時間コンピュータの前に座っているとは限らない。彼らは頻繁に移動しながら,情報を管理して決断しなければならないため,よりフレキシブルで仕事に適したソリューションを必要としている。我が社はこうしたニーズに応えるソフトウエアやハードウエアを作成し,毎日の職務の効率化と生産性の向上を支援する」(Raikes氏)

 さらにMicrosoft社は,電子ブック閲覧ソフト「Microsoft Reader」のTablet PC対応版「Microsoft Reader Tablet PC 2.5」を発表した。従来版と同様,文字品質を高めるフォント・レンダリング技術「ClearType」をベースにする。Tablet PCが出荷される際に,同梱する予定である。

 なお,ハードウエア・メーカー各社もTablet PCに関する発表を同日行っている。東芝の米国法人Toshiba America Information SystemsのComputer Systems Group部門はノート・パソコン「Portege」ファミリの1製品としてTablet PCを今年中に出荷することを明らかにした。台湾Acerの米国法人Acer AmericaはWindows XP Tablet PC Editionのベータ版を搭載した「Acer TravelMate 100」をTECHXNYで展示する。

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