米Intelはノート・パソコン向けマイクロプロセサ「Mobile Pentium 4 Processor-M」の新製品を米国時間6月24日に発表した。動作周波数2.0GHz,同1.9GHzの2種類。「動作周波数2GHzのノート・パソコン用プロセサを出荷するのは,これが世界で初めて」(Intel社)

 これにより,Mobile Pentium 4 Processor-Mのラインアップは2.0GHz,1.9GHz,1.8GHz,1.7GHz,1.6GHz,1.5GHz,1.4GHzとなった。

 Mobile Pentium 4 Processor-Mファミリのマイクロプロセサは,動作周波数を1.4GHzからそのマイクロプロセサの最大動作周波数まで可変できる「Enhanced Intel SpeedStep」技術と,省電力機能「Deeper Sleep Alert State」に対応している。さらに0.13μmルールで製造することで,「高性能と低消費電力を両立する」(Intel社)

 2.0GHz版の性能についてIntel社では,「2GHz版を使ったシステムは,高い演算能力を必要とする計算,通信,デジタル/マルチメディアアプリケーションを処理するための“馬力”を,企業および家庭ユーザーに提供する」(Intel社モバイル・プラットフォーム・グループ担当副社長のAnand Chandrasekher氏)と説明する。「ノート・パソコン用マイクロプロセサの動作周波数が1GHzに到達するのに,業界は11年の歳月を必要とした。当社は2倍の2GHzをわずか15カ月で達成した」(同氏)という。

 Intel社では,ベンチマーク・テスト「BAPCo MobileMark 2002」を使って,2GHz版のMobile Pentium 4 Processor-Mプロセサを搭載したノート・パソコンの性能を計測した。それによると,「1年前に最速だった『Mobile Pentium III』の2倍の速度で複数のオフィス・アプリケーションを動作させているのに,バッテリは3時間もった」(同社)という。さらに,「インターネットの操作について,BAPCo WebMarkで同様の比較を行ったところ,2GHz版Mobile Pentium 4 Processor-Mの方が2倍性能が高かった」(同社)

 またIntel社は同日,ノート・パソコン向けマイクロプロセサ「mobile Celeron」の新製品も発表した。動作周波数は1.5GHz,1.40GHz,1.33GHzの3種類。1.50GHz版と1.40GHz版のシステム・バス(FSB:Front-Side Bus)のクロック周波数は400MHzで,1.33GHz版は133MHzである。

 これにより同マイクロプロセサのラインアップは1.5GHz,1.40GHz,1.33GHz,1.20GHz,1.13GHz,1.06GHzとなった。

 1000個ロット時の価格は,μFCPGAパッケージに封止されたMobile Pentium 4 Processor-Mの2GHz版が637ドル,同1.90GHz版が401ドル。同パッケージに封止されたmobile Celeronの1.50GHz版が170ドル,同1.40GHz版が149ドル,1.33GHz版が134ドルである。

 なお,米Dell Computerは同日,Mobile Pentium 4 Processor-Mの2.0GHzと1.9GHz版を搭載するノート・パソコンの新製品「Inspiron 8200」「Latitude C840」「Dell Precision M50」を発表している。

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[発表資料(Intel社)]
[発表資料(Dell社)]