カナダのSierra Wirelessが現地時間6月24日に,約180~275人の社員および契約社員を削減するリストラ策を発表した。「営業費用を削減し,収益性の向上を図る」(Sierra社)

 Sierra社によると,同社の現在の営業費用と資産レベルは,複数の新製品の同時開発と,より急速な売り上げ増を想定したものだった。しかし現状は,企業によるIT予算の引き締めが続くなか,従来製品の売り上げが低下している。この傾向は今後一層加速する見通しだという。また「新製品の多くは好調だが,米AT&T Wireless向けの『AirCard 710』の販売が,当初の予測を大幅に下回る」(Sierra社)とみる。

 人員削減の大半は今月実行し,第3四半期には完了する予定。また,「注力対象を従来製品から第2.5世代(2.5G)対応製品へと移し,販売チャネルを拡充することでエンド・ユーザーへの売上高増加を目指す」(同社)。

 リストラにかかる費用は約3600万ドルに達する見通し。ちなみに,2002年第2四半期の業績は売上高が1400万ドル~1600万ドルの範囲,リストラ費用などを含めた純損失が4000万ドル(1株当たり純損失が2ドル46セント)と予測している。

 なお,Sierra社社長兼COOのGlen Brownlee氏は退職し,会長兼CEOのDavid Sutcliffe氏がBrownlee氏の職務を引き継ぐ。

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