「2002年FIFAワールドカップ向けに提供している米Avayaの音声およびデータ統合通信ネットワークが高い性能を発揮している」---2002年FIFAワールドカップの開催地である韓国と日本で,同社が現地時間6月20日に発表した。それによると,同社の統合通信ネットワークは5月31日~6月14日に約4Tバイトのデータ伝送に対応したという。

 同社の統合通信ネットワークは2002年FIFAワールドカップにおいて,競技場に関する業務,32チームのロジスティクス管理,試合結果や選手情報の配信などに利用されている。

 Avaya社は,「現在の性能レベルからすると,ワールドカップ終了時には最終的な伝送データ容量が10Tバイトに達する」とみている。「MP3形式の音楽なら連続6年7カ月分のダウンロード再生に相当する。米国会図書館の蔵書や写真,記録といった情報の半分にあたる容量だ。例えば,大規模な金融機関がアジア太平洋地域のネットワークで扱う1日当たりのデータ容量は平均100~200Gバイト。しかし2002年FIFAワールドカップのネットワークでは1日平均約500Gバイトのデータ伝送を行っている」(Avaya社)

 そのほか,同社が発表した主な内容は以下の通り。

・5月8日に2002年FIFAワールドカップ向け統合通信ネットワークを開始して以来,ダウンタイムは実質ゼロ。

・ネットワークに使用しているスイッチやルーターなどの装置は東京,ソウル(韓国),シンガポール,デンバー,コロラド,サンクトぺテルブルク(ロシア)のセンターで監視している。これまで発生した警告の約98%をAvaya社の「Expert SystemsSM」が遠隔操作で解決した。

・一般的なファイルの場合,韓国と日本のInternational Media Center(IMC)間におけるピーク時の往復通信時間は平均70ミリ秒。韓国IMCと韓国の競技場間では64ミリ秒,韓国IMCと日本の競技場間では82ミリ秒。

 2002年FIFAワールドカップの統合通信ネットワークは,韓国と日本の各FIFA本部と各国際メディアセンター,そして20カ所の競技場をつないでいる。IPテレフォニ技術を用いて,1日当たり約10万件のIP通話をサポートしているという。

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