米Makovsky社がスポンサーとなり米スタンフォード大学が実施した,Webサイトに関する調査結果が米国時間6月20日に発表された。

 調査によれば,スペル・チェックをしてない企業のWebサイトは,企業が財政問題や法律的問題に直面したのと同じぐらいのダメージをオンラインにおける信頼性に与える危険があるという。また全般的にユーザーは,便利だと考えるWebサイトを信頼している一方で,エディトリアル・コンテンツに広告が掲載されているサイトには強い疑いを持っていることも明らかになった。

 同調査は,特定のWebサイトが他のサイトよりも高い信頼を獲得しているさまざまな決定要素に焦点を当てて,1600人を越えるアメリカと欧州のインターネット・ユーザーを対象に実施したもの。

 調査によって明らかになったWebサイトの信頼性に関する結果は次の通り。

・顧客の質問に対する迅速な返答,企業の所在地,サイト・コンテンツのタイム・ライン,電話番号の明記が全体の有用性に加えて重要な特徴となる。

・ポップアップ広告を使うサイト,コピーのアップデートに失敗しているサイトへの印象は良くない。壊れたリンク,使いにくいサイト・ナビゲーション,信頼できないと思われるサイトにリンクしていることも悪い影響を与える要因となる。

・米国人は,欧州人よりも有効なコンテンツとプライバシを尊重するサイトを信頼している。米国人は,プライバシに関する記載,トランザクションの確認に電子メールの送信,コンテンツのソースまたは著作者を記載するサイトへの信頼が高い。

・女性は,男性とくらべてプライバシ・ポリシー,トランザクションの確認電子メール,電話番号の記載を提供しているサイトをより信頼している。

 また同調査では,サイトのデザイン,コンテンツ,パフォーマンス,普及率を説明する55の所見を作成し,その信頼性に与える影響を参加者に3~マイナス3で評価してもらった。

 企業がすでに築き上げている評判も影響するが,もっとも得点が高かったのはサイトの有用性と機能だった。得点が高かった要素は次の通り。

・以前使ったときに便利だったサイト(2.02)
・評判がよい企業のサイト(1.97)
・カスタマ・サービスへの質問に迅速に回答するサイト(1.83)
・企業の所在地を記載するサイト(1.67)
・以前訪れたときからアップデートされているサイト((1.65)
・連絡先の電話番号を記載しているサイト(1.56)
・見た目が専門的にデザインされたサイト(1.54)

 得点が低く信頼性を損ねる要素は次の通りだった。

・ 広告とコンテンツの区別がつきにくいサイト(-1.9)
・めったに新しいコンテンツでアップデートされないサイト(-1.65)
・自動的に新しいウインドウでポップアップ広告を表示するサイト(-1.64)
・機能しないリンクがあるサイト(-1.42)
・ナビゲーションが難しいサイト(-1.38)
・信頼できないと感じるサイトへのリンクを持つサイト(-1.38)

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