米Sun Microsystemsが米国時間6月19日に,アプリケーション・サーバーの新版「Sun ONE Application Server 7」製品系列を発表するとともに,「同Platform Edition」を企業/独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)に無料で提供することを明らかにした。このPlatform Editionは,「Solaris Operating Environment(OE)」のほか,Linux,Windows,HP-UX,AIXにも対応するという。

 「Platform Editionを無償提供することで,Webサービスの主要プラットフォームとしてJavaの利用が急増するだろう。企業やISVは,アプリケーション・サーバーにかけていた経費を,事業を成功に導くための高付加価値Webサービス作成に回せるようになる」(Sun社ソフトウエア担当上級副社長のJonathan Schwartz氏)

 Sun ONE Application Serverには,「Sun ONE Web Server」のHTTPエンジンや「Java Message Service(JMS)API」が統合されている。「JMS APIは最も高速な実装の一つで,米IBMのMQSeriesに比べ10倍高速」(同社)という。

 Sun ONE Application Serverは「Sun ONE Studio 4」統合開発環境(IDE)と一体化している。このため「Java 2 Platform, Enterprise Edition(J2EE)」プラットフォーム・アプリケーションやXML対応Webサービスの作成に利用できる。また「Java Web Services Developer Pack」を備え,SOAP,UDDI,WSDLに対応する。

 Platform Editionは,「Sun ONE Application Server 7, Standard Edition」および「同Enterprise Edition」にアップグレードすることが可能。このため「管理業務の規模拡大が必要になった際,高額の負担がかからない」(同社)。

 Sun ONE Application Serverの各版の内容は以下の通り。

・Sun ONE Application Server, Platform Edition:企業およびISVは無料で使用可能。メンテナンス/サポート・サービスを受けるには,別途が必要になる。Solaris版とWindows版は2002年9月に利用可能とする。Linux版,HP-UX版,AIX版のリリースは,2002年末の予定。

・Sun ONE Application Server, Standard Edition:Platform Editionの機能に加え,遠隔管理/監視などの管理向け機能を備える。リリース時期は,Platform Editionと同じ。価格は1CPU当り2000ドル。

・Sun ONE Application Server, Enterprise Edition:ミッションクリティカルなアプリケーションの利用を想定し,信頼性と性能を高めているという。さらに,「Always On Technology」を導入することで,障害発生時の自己修復に対応する。2003年の早い時期に利用可能とする。価格は1CPU当り1万ドル。

 なおSun社は5月22日に,Platform EditionをSolaris 9 OEに統合すると発表していた。

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