米Covad Communicationsは米国時間6月19日,広帯域接続の需要に関する調査結果を発表した。それによると,家庭でダイヤルアップ接続を行うユーザーの56%が不満を感じており,広帯域接続への移行を検討している。しかし,導入にかかるコストの高さやプロバイダ選びがネックとなり,いまだにアップグレードを行っていてないという。

 調査は,Covad社が米Fabrizio-McLaughlin and Associatesに依頼して行ったもの。米国で7月10~12日に,WWW接続を行う成人1200人とダイヤルアップ接続を行う成人1200人を対象に,電話によるアンケートを実施した。

 「広帯域接続に対する需要は非常に高い。今後,プロバイダ間の競争は激化し,市場は急速に拡大するだろう。供給が需要に追いつくかが問題だ」(Covad社社長兼CEOのCharlie Hoffman氏)

 主な調査結果は以下の通り。

・インターネットを利用する家庭のうち,ダイヤルアップ接続ユーザーは62%,高速接続を行っている家庭は31%だった。後者の場合,ケーブル・モデムの利用者が最も多く18%。次いでDSLが11%。衛星を利用している家庭は2%だった。

・ダイヤルアップ接続の家庭の56%が,高速インターネット接続にアップグレードしたいと考えている。そのうち,「コスト」が原因で移行していないユーザーは36%。「適切なサービス・プロバイダ選び」が障害になっているユーザーは20%だった。

・ダイヤルアップ接続の家庭の36%は現状に満足している。「自分のニーズにあっている」とするユーザーは29%,「閲覧するコンテンツが高速接続を必要としない」と答えたユーザーは7%。

・ダイヤルアップ接続ユーザーのうち,高速接続に移行するにあたって,「電話会社」を利用する家庭は33%,「ケーブル会社」を利用するという家庭は26%。また「それ以外のサービス・プロバイダ」を利用するという家庭は19%だった。

・高速接続にアップグレードして,最も恩恵を受ける家族の年齢層を尋ねたところ,「20~50歳」と答えた家庭が56%,「50歳以上」とする家庭は24%だった。「13才~19才」と予測した家庭はわずか13%で,「小学生」はさらに低い3%のみ。

・家庭におけるインターネットの普及率が最も高いのは35~54歳の年齢層で,65%が接続している。

・既婚者で子供がいる家庭の71%がWWWに接続している。

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