米Sun Microsystemsは新型ラックマウント・サーバー「Sun Fire V480」を米国時間6月18日,発表した。動作周波数900MHzの「UltraSPARC III」プロセサを最大4個搭載できる。「顧客が求める高性能,メモリ,I/Oスループットを,多くのWintelサーバーよりも低価格で高密度のパッケージに詰め込んだ」(Sun社)という。

 Sun Fire V480は同社のエントリー・レベル・サーバーで,Sun社は「『Sun Fire 280R』と『同V880』のあいだに位置する製品」と説明している。

 「Sun Fire V480は,必要な性能に応じてプロセサの数を増やせる柔軟性を備え,データ・センター内で設置面積を増やさずストレージを増設できる。そのため,政府やさまざまな業界の企業顧客にとって,理想的なアプリケーション・サーバーと言える」(同社)

 Sun Fire V480の主な特徴は以下の通り。

・2個または4個のUltraSPARC IIIプロセサを使用可能。

・8Mバイトの内蔵キャッシュを搭載。「Wintelシステムに搭載可能な容量の6倍以上」(同社)

・内蔵メモリの容量は最大32Gバイト。

・内部バスにスループットが9.6Gバイト/秒の「Sun Fire Plane Interconnect」を採用。「これは,現在販売されているWintelシステムの最大3倍の値」(同社)

・DVD-ROMドライブ,2台のホットスワップ可能な電源,2台のホットプラグ対応ファイバ・チャネル・ハード・ディスク装置(容量は36Gバイト),10/100/1000Mbps Ethernet,Remote System Control(RSC)カード,6個のPCIスロットを内蔵。

・前面および背面にシステムの状態を診断できるLEDを装備。シャーシを開けることなく機器の調査を行える。

・自動システム復旧機能を持ち,主要部品の監視,障害の発生した部品の自動設定を行う。「可用性を向上し,管理者の行う作業を最小限にする」(同社)

・RSCカードを介して,遠隔地からシステムや部品の状態を監視/報告できる。「システム管理コストを全体的に削減する」(同社)

・高さ5U(約220mm),奥行き24インチ(約610mm)のラックに格納可能。

 Sun Fire V480は即日出荷する。2個のUltraSPARC III,4Gバイトのメモリ,36Gバイトのファイバ・チャネル・ハード・ディスク装置2台を搭載したSun Fire V480の価格は,2万2995ドルから。九つの36Gバイトのファイバ・チャネル・ハード・ディスクを備える「Sun StorEdge T3 Array」付きのSun Fire V480も,同日より利用可能とする。こちらの価格は4万4595ドル。

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