米SGIが,NASAのAmes Research Center(Ames研究センター)で使用されているSGIの共有メモリ・スーパーコンピュータ「Origin 3800」の性能を向上させた。SGIが米国時間6月18日に明らかにしたもの。同スーパーコンピュータはこれまで動作周波数400MHzのプロセサを1024個使用していたが,これを動作周波数600MHzの「MIPS R14000A」に交換することで高速化を図った。

 「Origin 3800をパワーアップしたことで,現在NASAの研究者が使用するグリッド・コンピュータ・システムのなかで最も高性能のマシンになった」(SGI)

 プロセサを動作周波数600MHzのMIPS R14000Aに変更することで,Origin 3800の性能が最大37%向上したという。「論理的な最高演算速度は,819.20GFLOPSから1228.80GFLOPSに上がった」(NASA Ames研究センターNAS担当チーフのJohn Ziebarth氏)

 NASAのAmes研究センター内にあるNASA Advanced Supercomputing(NAS)部門では,Information Power Grid(IPG)と呼ばれるシステムの構築や試験を行っている。IPGとは,研究者などが高性能コンピュータ・システムを遠隔地から利用できるようにするための,分散スーパーコンピュータ/大規模データベース/研究ツール・ネットワーク。「IPGは現在のところNASで最も大きなプロジェクトであり,Origin 3800はこのIPGの主要コンポーネントの一つである」(SGI)

 なおNASAは,SGIのOrigin製品系列のコンピュータ・システムを,NASAのGlenn Research CenterとLangley Research Centerに導入することも検討しているという。

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