米UPS(United Parcel Service of America)とオンライン決済サービスの米PayPalが提携した。PayPal社のサービスに,UPS社の“デジタル発送ツール”を組み合わせた「PayPal Shipping With UPS」をユーザーに提供する。UPS社が米国時間6月18日に明らかにしたもの。

 「UPSの配送機能をPayPal社のサービスに組み込むことで,顧客のオンライン取り引きをこれまでにないほど迅速に行えるようにした」(UPS社Electronic Commerce Marketing部門マネージャのAlan Amling氏)

 PayPal社のサービス「PayPal」はネットワーク型の電子マネー。ユーザーはあらかじめPayPalで口座を開設しておき,電子的に金銭の受け渡しを行うことで決済を完了する(関連記事)。

 買い手が売り手に対し,送金操作を行うことで両者の取り引きは完了するが,PayPal Shipping With UPSではこのとき買い手のあて名情報などを売り手に知らせることで品物の発送手続きを簡便なものにする。ユーザーはこれまで決済と発送という作業を別々に行っていたが,これを「単一のプロセスで処理できるようにした」(UPS社)

 具体的には,システムが品物の発送に必要となるすべての情報を売り手に提供する。売り手はこの情報を印刷して使えばよいので,これまで起こりがちだった転記ミスを防止できる。さらに買い手には,品物の配送番号と到着予定日が電子メールで知らされるという仕組みである。

 また送料は,UPS社が売り手に直接請求するが,この料金は売り手と買い手の双方に知らされる。このため,売り手が送料の不足分を買い手に再請求したり,買い手が不当な送料を請求される,ということがなくなる。

 なおUPSにとって,同社の“シッピングAPI”を他社ブランドと統合させたのはこれが初めてという。

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