米Eastman Kodak,米HP(Hewlett-Packard),富士写真フイルムなどが参加する,デジタル写真画像に関する標準技術の開発・推進団体I3A(International Imaging Industry Association)は米国時間6月17日に,インターネットを介したデジタル写真のプリント・サービスのための仕様「Common Picture eXchange Environment(CPXe)」について明らかにした。

 「デジタル写真のプリント・サービスをフィルム写真並みに手軽なものにする」(I3A)。

 CPXeは,ネットを介したデジタル写真のやりとり,オンラインによる写真プリントの注文,オフラインによるプリントの受け渡しなどを可能にするための枠組みとなる。

 「デジタル・カメラ,パソコン,パソコン用ソフトウエア,インターネット・サービス,写真キオスク,写真店,ミニラボといったさまざまな機器/サービス端末間でデジタル写真データを交換するとともに,プリントの受注処理も行えるようにする」(I3A)

 例えば,ユーザーがパソコンを使ってデジタル写真をオンライン・ストレージにアップロードし,プリントを注文,できあがったプリントを近所の写真店に取りに行く,といったことを簡単にできるようにする。

 CPXeはネットワークのアーキテクチャとディレクトリから成るもので,Webサービスをベースとする。Webサービスの技術を使うので,デジタル・カメラやパソコン,OSの種類に依存することがないという。

 CPXeが採用するWebサービス技術は,XML,UDDI(Universal Description, Discovery and Integration),SOAP(Simple Object Access Protocol)といった既存のものを使う。このため,カメラ・メーカーなどがコストを抑えながら機能を機器に組み込めるようになるという。なおプリント・サービスの提供者を掲載するディレクトリはI3Aが管理・運営する。

 I3Aでは,CPXeが完成するのは2002年末と見込んでる。CPXeの開発に取り組む企業・団体には,Kodak社,HP社,富士写真フイルムのほかに以下がある。

ベルギーAgfa-Gevaert
米Canon U.S.A
米Digimarc
米FotoWire
米LifePics, Inc.
米Olympus America Inc.
米Open Graphics
英Pixology

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