米国電気電子学会(IEEE)の一組織であるIEEE Standards Association(IEEE-SA)が,「IEEE 802.3ae」仕様をIEEE標準規格として承認した。10GビットEthernetの普及促進を目指す業界団体10 Gigabit Ethernet Alliance(10GEA)が米国時間6月17日に明らかにしたもの。

 IEEE 802.3ae承認の裁決は,ニュージャージー州ピスカタウエイで6月11日から13日に開催されたIEEE -SAの会議で行われた。IEEE-SA Standards Board Standards Review Committee(RevCom)とIEEE-SA Standards Boardが検討し,IEEE 802.3aeがIEEEの手続きに基づいていることを確認した。

 10GEA副議長であり米Cisco SystemsのEmerging Technologies部門Product Line担当上級マネージャBruce Tolley氏は,「IEEE 802.3aeが承認を受けたことにより,企業は確信を持ってバックボーン,データ・センター,サーバー・ファームに10GビットEthernetを導入し,ミッション・クリティカルなアプリケーションに対応することができる。サービス・プロバイダや通信事業者は,都市型EthernetサービスをSONET/SDH,ダーク・ファイバ,DWDMを介して提供することが可能だ」と述べた。

 10GビットEthernetはデータ伝送速度が10Gビット/秒で,延長距離40kmのEthernetである。IEEE P802.3ae規格は,大都市圏における大容量光リンクの低コスト・オプションとして提案された規格であり,使用波長は850nm,通信速度は10Gbpsである。1310nmや1550nmの波長とシングル・モード光ファイバーを用いた一般的な大容量光リンクと比較して,部品や光ファイバ・ケーブルのコストが半分から10分の1程度と安いため,10Gbpsの大容量短距離リンクを経済的に構成できるようになるものと期待されている。

 なお,10GEAは5月にラスベガスで開催された展示会「NetWorld+Interop」で,大規模な10GビットEthernetの相互操作性デモを実施した。6月にアトランタで開催した展示会「SuperComm」でも同様のデモを行っており,「エンドユーザーに,10GビットEthernet導入に対する信頼を与えた」(10GEA)としている。

 デモに参加した企業には,米Agilent Technologies,米Blaze Network Products,Cable Design Technologies(CDT)社,米Cisco Systems,米Corning,米Enterasys Networks,米Extreme Networks,米Force10 Networks,米Foundry Networks,日立電線,ドイツのInfineon Technologies,米Intel,米Ixia,カナダのJDS Uniphase,米Marvell Semiconductor,米Mindspeed,米Molex,カナダのNortel Networks,OFS社,Optillion社,カナダのPMC-Sierra,Primarion社,Quake Technologies社,米Spirent Communications,米Velio Communicationsなどが含まれる。

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